オタノシミ

知られざるおっさんの日常。

【本】インパール

インパール

 

高木俊朗著

 

文春文庫

 

を読んだ。

 

★★★★★

 

 

 

 

「とんでもない。アメリカは公表したことは必ず実行している。日本では、宣伝というとうそか誇大だということになっている。アメリカの宣伝は必ず事実だ。この相違は、考えるべきだと思う」
(田副師団長)

 

 

 

「長中尉。---どうやら、 辞世を書く時がきたようだね」
(作間連隊長)

 

 

 

内地にいれば、侯爵家の家令として、うやうやしく、そして尊大にふるまい、格式のなかに満足して、安住したに違いない。それが、戦争のために、全く不適当な役割を与えられたばかりに恥も外聞も捨てて逃げまわる。ついには気違いを装うようになる。そして、死の前線に到着するのを、一日でも、一時間でも遅らせる。 最後のところに行きつくと、いかに面罵され侮辱されてもなお平然と後退して行く。 それでもなお、体面をつくろうことだけは忘れない。
(田中少佐について)

 

 

 

「連隊長はめしを食うのか。第一線へきて、よくもそんなめしが食えるな。兵隊は食うものがなくて動けなくなっているんだ」
(本間中尉)

 

 

 

「(前略)こりゃ、頭の違いだよ。民族の能力の差だ」
(田中師団長)

 

 

 

「百円でどうだす」
「本物のぎゅうでっせ、高うはおまへんやろ」
(某兵士)