インドネシア大虐殺 二つのクーデターと史上最大級の惨劇
倉沢愛子著
を読んだ。
★★★★☆
※
インドネシア近現代史、日尼関係史においてデヴィ夫人が果たした役割りは小さくはなかった。
✳新政権が積極的に前政権のジェノサイドを暴いていったカンボジアの場合とは対照的に、この国では虐殺の地に慰霊碑一つ建てられていない。虐殺が最も激しかった観光地バリでは、 道路の脇や風光明媚な海岸の一角に、実はいまだに大量の死体が埋まっている。にもかかわらず、人びとはそんなことをまったく知らされずに通り過ぎていく。こうして、国際社会は もちろん、国内的にも事件はどんどん風化しつつあるのである。